内容(「BOOK」データベースより)初出「すばる」1983年12月号
失業したとたんにツキがまわってきた。婚約相手との関係を年末のたった二時間で清算できたし、趣味の競輪は負け知らずで懐の心配もない。おまけに、色白で脚の長い女をモノにしたのだから、ついてるとしか言いようがない。二十七歳の年が明け、田村宏の生活はツキを頼りに何もかもうまくいくかに思われた。ところがその頃から街でたびたび人違いに遭い、厄介な男にからまれ、ついには不可解な事件に巻き込まれてしまう。自分と瓜二つの男がこの街にいる―。現代作家の中でも群を抜く小説の名手、佐藤正午の不朽のデビュー作。新装文庫限定「あとがき」収録。
古典だったり、外国の話だったりすると、案外その世界に入って行けるのだけれど、1983年(書き出したのはその2年前(あとがきより))で、出てくるワード(電電公社、いかず後家)とか、荷物の届け先が留守だと隣家に預けるとか、社会通念とか、ちょっと古い感じがして引っ掛かりました。
長かったです。