一〇七歳の世界的美術家が最後に遺した「人生のことば」「ことば」が身に沁みました。
歳を取るというのは、悲しむだけのものでもない
歳を取ってはじめて得られる喜びがある
三月一日に一〇七歳で世を去った篠田桃紅さん。
この本の制作途中、「これが最後の本になる」と繰り返し言っていました。
桃紅さんの人生哲学を短い言葉で伝える「ことば篇」と、
これまでの人生を写真と文章で振り返る「人生篇」、
二部構成でお届けする、最後にして決定版と言える著作です。
Amazonより
『仲良く手を繋いでいても、中身は孤独なんです。夫婦だって、親子だって、みんなそうよ。後になって孤独だったことがわかる。』(P.10)
『今日は何々をしなければではなく、今日は何をするのか。その日の風の吹き方によって生きたい。』(P.61)
『三好達治は「それはふと思いがけない時に来る。それを人は信じなさい」と書いている。やっぱり人間って救いを求めると、知恵というものが思いがけないときに来るわよ。いくら考えても出なかった知恵が。』(P.96)
『自然の一部なのよ、私はもう。
雪が降った、雨が降ったというのと同じよ。』(P.189)
『絵というものは、現実を写すのではなく、現実が持っている夢や、怒りや悲しみのようなものを現実のなかから引き出して、それを別のかたちに置き換えたものです。』(P.230)