The Door Into Summer

夏への扉

沼地の記憶

沼地の記憶 (文春文庫)
沼地の記憶 / トマス・H・クック(文春文庫)

自分でもなんでこんなに好きなのかわからないけど、好きです、トマス・H・クック。
「記憶シリーズ」ふたたび、とか帯に書いてあるけど、日本で勝手に記憶ってタイトルにつけてるだけなんだけどなぁ。
南部のある地域の閉塞感とか生まれた家系のしがらみとかが胸に迫ります。
淡々と、そしてじわじわと事の真相が明らかになっていくのですが、読み終わった後で、また読み返すと、納得します。これが人間なのだ。
主人公が高校の先生で、生徒等の文章を批評したりする部分があって、多少のことは気にしないで読んでしまう私にはその文章のダメなところに気付かなかったので、簡潔な良い文章を読んで、もっと文章に敏感になりたいと思いました。
巻末にトマス・H・クックのインタビューが載っていて興味深かったです。